2011年11月8日火曜日

がん細胞の断片がワクチン新薬

がん細胞を直接死滅 岡山大発ベンチャー、新薬開発へ


がん細胞を死滅させ、がんへの免疫力も高める治療薬づくりに岡大発ベンチャー企業が5年間4億円で取り組む。科学技術振興機構(JST)の事業に採択され、資金のめどがたった。前立腺がんや中皮腫、腎がん、乳がんへの効果が動物実験で確認された遺伝子を用いる。


 事業主体の桃太郎源(岡山市北区)によると、製剤の元になるのは遺伝子「REIC(レイク)」。無毒化したウイルスに組み込み、直接がんに注射する。がん細胞にREICが増えると、たんぱく質の生産異常を起こして死ぬ。REICが普段からある正常な細胞は、少し増えても問題はない。


 さらに、死んだがん細胞の断片がワクチンのように働き、がんに対する免疫を高めるという。
 岡山大病院では、REICの特許権を持つ公文裕巳教授らが、ウイルスに組み込んだREICを前立腺がん患者で臨床研究中。今のところ安全性に問題は無い。今回は臨床研究中の製剤を改良する。ウイルスへのREIC遺伝子の入れ方を工夫し、薬効を10~100倍に上げ、5年以内に腎がんでの臨床研究を目指すという。


2011年11月5日 47News